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2018年4月19日木曜日

「なぜ男は「そんなこと」で怒るのか」ゴマブックスさんから電子書籍およびPOD出版のお知らせ






2016年10月24日にKDP(キンドル・デスクトップ・パブリッシング)にて上梓した

なぜ男は「そんなこと」で怒るのか 解決脳と認知資源――男が怒る理由は2つしかない

が、ゴマブックスさんから電子書籍で出版されました。価格は1080円。POD(プリント・オン・デマンド)版もありますので、少し高価になってしまいますが紙で読むこともできます(1620円)。
https://tinyurl.com/y8ac74qx


…ただしこれを喜ぶ前に、いくつか謝罪しなければならないことがあります。
 
出版社さんから出すのですから、その廉価版となる私のKDP版(490円)は出版を停止します。しかしそれを事前にお知らせすると、出版社さんの売り上げを潜在的に減らしてしまうかもしれません。なのでひっそりと販売を停止し、ゴマブックスさんの手続きが進むのを待っていました。

ただ私も知らなかったのですが、KDPで販売を停止すると出版前の状態に戻ってしまい、Amazon内部でも検索できないようになるのです。この本を紹介してくれた人のリンクが、いきなり行方不明になってしまうということです。

リンクを無効にしてしまい、申し訳ありませんでした。

厚かましいお願いで申し訳ありませんが、上記サイトにて貼り直していただけるとありがたいです。


さらにショックだったのはKDPによる出版を停止すると、「出版そのものが最初からなかったことにされる」こと。すべての記録が消え去り、また最初から手続きをやりなおしになるということです。復活するのに手間はかからないのですが、取り消した時点の状態ではなく出版前の状態にリセットされてしまうのです。

これは辛いっすよー。私にとって自分が書いた作品は子供のようなものです。発表してからの記録が失われるということは、子供が小学校に上がるまでのアルバムを焼いてしまうようなものです。それを自分の手で執行しなければならないと知って、苦悩しました。

ただそれだけなら、自分の心を鬼にすれば整理がつきます。
折角の電子書籍化を白紙に戻すという選択肢はないので、やるしかありません。
しかし、

読者の方に書いてもらったレビューまで消えてしまうのは本当につらい

特に出版直後のレビューは嬉しいもので、子供が生まれた時に手紙と贈り物をいただくようなものです。おそらくそれは書いてくれた人にとっても同じでしょう。レビューひとつひとつに対し、愛着を持っていることと思います。

それを私がボタンひとつで「最初からなかったことにしてしまう」わけです。これはまるで子供が生まれた時にいただいた手紙と贈り物を、アルバムと一緒に焼いてしまうようなものです。やられて面白いはずがありません。

書いていただいたレビューを台無しにして、申し訳ありませんでした。

私の方は未練がましく、取り消し前の状態をテキスト・PDF・HTMLの形で残しています。もしレビューの文章を「返して」いただきたい方は、このブログに書き込むなどで申し出てください。何らかの方法でお渡しします。



この出版そのものは、大いに喜ぶべきことです。

  1. KDPで作品をまず発表し、
  2. フィードバックをもらいながら修正を加え、
  3. いずれ出版社さんから正式に出してもらう
という、想定通りに事が運んだからです。
私にとって新しい分野を開いてくれた、ゴマブックスさんには感謝しています。

しかし他の方が書いてくれたレビューを私の手で消してしまうようなことは、できることならやりたくありません。そのためには最初から商業出版を目指すべきなのかと考えたりもします。
アマゾンに履歴が残り、なおかつ出版社さんの電子書籍を邪魔しないような形にできるとベストなんですけどね。しかし大幅に加筆修正が必要な内容なら、最初からそれで出しているはず。悩ましいところです。


あ、本の内容は変わっていませんから面白いですよ。
私もたびたび読み返しては、笑い転げています。

自分の書いた本で何度も笑うなんて、
完全に頭がおかしい人です。

しかしこの本を読むと自分の怒りの原因がわかるので、客観視できるんですよね。
怒っている自分は確かにいるのですが、どこかでそれを楽しんでいます。

「あ、例のパターンだ。何度やられてもやっぱり腹立つわ」
「しかも三段重ねループときたか。これは新技認定してもいいだろう」
「またネタが増えた。続編もすぐ書けるな」

と他人事のようにとらえているのです。

家庭生活にも会社生活にも余裕が生まれるこの一冊。ダントツおすすめです。
書いた本人が言うのだから間違いない!
まだお試しでない方はぜひ!!!

 ↓↓↓↓













2017年11月17日金曜日

Kindle Countdown Deals 不発か?


おかげさまで電子書籍の新刊が売れ行き好調です。

「外国為替」カテゴリの首位を約1日半ずっとキープしています。



ビットコインはなぜヤバい
フィンテック時代のデジタル投資詐欺







しかし、メルマガ等でお知らせした既存書籍の時間限定キャンペーンがうまく行っていません。

これは「Kindle Countdown Deals」と呼ばれるものです。
https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G201293780

たとえば定価5ドルの本をいきなり1ドルに引き下げ、そこから4日間から8日間かけて段階的に定価に戻して行きます。

(例)
1ドル → 2ドル → 3ドル → 4ドル → 5ドル(定価に戻る)

「早く買うほどお得ですよ!」と、購買意欲を刺激するわけです。



弊社は今回、以下の2つでキャンペーンを登録しました。
----------------------------------------
なぜ男は「そんなこと」で怒るのか  
解決脳と認知資源 - 男が怒る理由は2つしかない
https://tinyurl.com/ycr6av7a
----------------------------------------
ジャパンヘイターとサイコパス支配
善意で滅ぶ先進国
https://tinyurl.com/ycmp78bz
----------------------------------------

11月16日朝8時からとセットしたのですが、時間帯が米国太平洋時間(PST)だったので日本時間の17日のちょうど0時から開始したはず。

起きてから管理ページを確認すると、それぞれの作品について「Kindle Countdown Deals」が「実行中」に変わっていました。

ここまではよし、と。


しかし上記の作品ページへ飛んでも、キャンペーン割引価格が併記されていないのです。

英語版(amazon.com)へ行っても同じ。

英語版の作品ページも価格が併記されていませんし、「Kindle Countdown Deals」のリストに行ってヒーヒー言いながら全ページ探しても上記の作品が見当たりません。

どこかでひっそりとやっているのではないかと探しているうちに、すでに開始から10時間が経っている計算になります。


何よりも、キャンペーン開始から今までそれらの作品は「ひとつも売れていません」。

仮にどこかでやっていたとしても簡単には見つけられないし、効果がないということです。

管理画面のステイタスだけが実行中となって、いくら探してもキャンペーンが見あたらない「Kindle Countdown Deals」。

「ひっそり過ぎるだろ!」

とツッコミながら、探すのを諦めました。



アマゾンさんは本家の便利なサービスが日本では使えないことがあるので、そのあたりの関係ですかね。

管理画面は日本向けにカスタマイズし終わったけど、本家やシステムがまだ対応していないとか?

キャンペーンの価格設定がドル建てしかないので、ありえない話ではないかもしれません。

日本ではまだこのサービスを試した人が少ないようですから、ここにひとりの「人柱が立った」ことを記録しておきます。

[人柱の記]
2017年11月17日
「Kindle Countdown Dealsキャンペーン」不発



そんなわけで、今回のキャンペーンを私から紹介することはできなくなりました。

「やってます」とも「始まってません」とも言えず、「どこかでやってる可能性はゼロではありませんが、私は見つけることができませんでした」としか報告できないのです。

期待した方々、本当に申し訳ありませんでした。

これに懲りずに、今後ともいろいろ試行錯誤して行こうと思います。



2017年11月15日水曜日

ビットコインはなぜヤバい:あとがき:ネットに溢れるデジタル投資詐欺




本書では「デジタル投資詐欺」の一例として、いわゆる仮想通貨について解説しました。
その危うい仕組みを理解していただき、被害を未然に防ぐことができたのならこれ以上の幸せはありません。

実は、このようなデジタル投資詐欺はネット上に溢れています。
今回はたまたま有名なビットコインを例にしましたが、他にも「通貨を装ったデジタル投資詐欺」はたくさんあります。
預金を装ったデジタル投資詐欺」も、10年近く前からあります。
最近では「株式を装ったデジタル投資詐欺」を流行させようという動きが活発化しています。
いずれも巧妙な手口で、あなたの資金を投資家保護の仕組みの外に誘い出そうとしています。

しかし本書を読んだあなたなら、もうそれらに興味を示すこともないでしょう。
「ああ、預金のふりをした投資詐欺か。銀行法逃れだな」
「ああ、株式のふりをした投資詐欺か。金商法逃れだな」
などと、冷静に判断することができるはずです。
それらを猛烈プッシュする人々とは距離を置き、堅実な資産形成に励んでください。

それでも判断に困ったときは?
私に相談してください。
普段は投資を本業としていますが、詐欺撲滅をライフワークとしています。時間が許す限り、なるべくお答えしようと思います。

信用を一瞬で失うのは、恐ろしいことです。
投資詐欺の客寄せイベントにそうとは知らず呼ばれ、後から「騙された」「あの人がいたから信用した」「広告塔だった」として訴えられている有名人もいるそうです。
金融機関や企業にしても、怪しいものに信用を与えて詐欺の片棒を担ぐべきではありません。信用を築くのは長い時間と労力が必要で、それを失えば致命傷になりかねないのです。
注意一秒、怪我一生
そんなことになる前に、こちらのブログから問い合わせることをお勧めします。
↓↓↓
ワイルドインベスターズ投資ブログ


ビットコインはなぜヤバい: 第7章第2節 「ゲーム内アイテム」程度の価値





(略)

この危うい構造は、20176月に「改正資金決済法」が施行された後でも変わりません。
この法律により、登録業者以外による仮想通貨の取引サービスが禁止となりました。
しかし、この法律はむしろ逆効果になりかねません。日本政府が「(3)いわゆる仮想通貨」を貨幣として認めた上で規制をかけたような印象を与えてしまいます。案の定、このニュースで「日本が仮想通貨を正式に認めたぞ!」と大喜びする人が続出しました。
たとえば金融庁によるこちらのパンフを見ると、「仮想通貨が身近になりつつある中、仮想通貨交換サービスが適切に実施されるよう制度整備を行いました」と最初に書いてあります。まるで正式な決済手段として、日本政府が認めたように読めるのです。
しかし仮想通貨交換業者登録一覧には、注意書きが書いてあります。

仮想通貨交換業者登録一覧
仮想通貨を利用する際の注意点

仮想通貨は、日本円やドルなどのように国がその価値を保証している「法定通貨」ではありません。インターネット上でやりとりされる電子データです。
仮想通貨は、価格が変動することがあります。仮想通貨の価格が急落したり、突然無価値になってしまうなど、損をする可能性があります。

ただ普通の人は、この警告を目にすることはないでしょう。むじろ大手企業が取引所ビジネスに参入することで、安心して取引する人も増えると思います。それによって詐欺や犯罪の被害が大きく広がってしまうのではないかと懸念しています。
確かにこの法律は、登録された業者がいわゆる仮想通貨を「ねずみ講的な投資商品」に使うことは防いでくれるでしょう。しかしその前の段階、たとえば「登録外業者の詐欺」や「発行・発掘・取引認証・保管レベルでの不正」を防ぐにはほとんど無力です。構造的に詐欺や犯罪の温床になりやすい電子データ取引の中で、販売網の末端のほんの一部に規制をかけただけに過ぎないのです。

今回、「いわゆる仮想通貨」をわざわざ法律で規制したことは別の問題を引き起こしてしまいそうな気がします。
「新しい時代の通貨だ!」と叫びながら電子アイテムを発行しみんなで取引や支払いをしていれば、そのうち国が法整備をして大手企業が仲介してくれるという前例を作ってしまったからです。
ゲーム内での仮想通貨・アイテム・キャラクター・アカウントなどを売買するRMT(リアルマネートレード)は法律的にグレーな分野とされているのに、似たようなものである仮想通貨に対しては政府が正式に取引を認めてしまいました。
規制が入るということは決済手段として正式に認められたという形になり、当局のお墨付きを得て合法的に売り抜けできる経路が開いたのです。
規制が入るまでは詐欺・犯罪をやり放題ですが、決済手段として認められた前例がある以上もはや発行自体を制限するわけには行きません。
だったらその電子通貨とやらを次々に生み出して、どれかが「当たる」つまり国に登録された交換所で売買されるようになるまで宣伝を続ければよいのです。
ということは、通貨偽造の罪に問われることもなく通貨発行益を得られる抜け穴ができたということす。

私の考えとしては、いわゆる仮想通貨に対して法律や登録制度を作る必要はなかったと思いますよ。

「これらは自分で勝手に通貨だと言い張っていますが、ただの電子アイテムに過ぎません。当然、日本政府としては保証も保護もしません。詐欺や犯罪の温床になりやすい世界ですから気をつけて下さい。でも監視は続けてるよ。悪さした奴は容赦なくブチ込むから」

とテレビ・新聞・ネットで告知すれば済んだ話だと考えます。
当局が真面目に法律を作って対応をしたことが別の問題を引き起こし、かえって被害が大きくなるのではないかということです。


ビットコインはなぜヤバい: 第4章第2節 通貨価値を支える「担税力」「徴税力」


(略)

管理通貨制度を採用している先進国の通貨にとって、金銀財宝による価値の裏付けはさほど大きくありません。
たとえば直近の日銀報告書を見ると、総資産約520兆円に対する金地金(きんじがね)4400億円の比率はわずか0.085%に過ぎません(図表 3A右側)。しかし実はこれは、買ったときの価格(簿価)で評価しているので必要以上に小さく見えるのです。そこで金地金の保有量から時価を計算し、簿価と時価を調整した総資産で割って修正します。するとバランスシートが拡大するサブプライムショック前は3.0%(B右側)、拡大後はわずか0.7%となります(C右側)。日銀券の価値を支えるのに、保有する金地金はほとんど貢献していないということです。

図表 3 中央銀行の資産の中で、金地金の比率は低い


FRBは日銀の10倍以上も金地金を保有していますが、大昔から保有しているためか簿価ベースの比率は日本よりも低い0.023%になります(図表 3A左側)。しかし時価ベースで評価すると、実はバランスシート拡大前には全体の約27%が金地金だったことがわかります(B左側)。ニクソンショックで金本位制から離れた後も、保有するゴールドがドルの価値をある程度支えていたということには驚きです。しかしバランスシートが急拡大した現在では、その比率は7%にまで落ちてしまいました(C左側)

政府や中央銀行が保有する貴金属に代わって、通貨価値を支えるようになったのは「政府の信用」です。
さらにその裏付けとなるのは、「国有財産」と「将来の税収」です。
だから「国の借金」が「国有財産」を上回るようになっても、「将来の税収」を担保に借金を続けたり通貨価値を維持することができます。

しかしその「将来の税収」の担保となっている「日本国民の担税力」「日本政府の徴税力」さえも上回るほどの借金を抱えたとき、日本円急落と円金利上昇に襲われる可能性が高いのです。


ビットコインはなぜヤバい: 第2章第6節 米国の通貨発行益は10兆円!?


 (略)

さて米国は米ドルを基軸通貨として世界中に流通させています。その流通残高は2016年末時点で約1.5兆ドル! 特に断らない限り本書では1ドル110円で換算することにしますが、円換算で160兆円以上の紙幣やコインが世界に出回っているわけです。
それだけではありません。前述したように、中央銀行は紙幣やコインだけでなく電子的に通貨を「発行したこと」にできるからです。特に2008年のサブプライムショック以降、米国FRBは未曽有の「量的緩和」に踏み切りました。ファニーメイやフレディマックといったモーゲージ(不動産担保付き)債券まで購入し、通常なら取らない信用リスク(貸し付け先が破綻し、融資が返済されないリスク)まで背負いました。
なぜこんなことをしたかというと、米国の金融システムそのものが崩壊の危機に陥ったからです。民間金融機関(銀行・証券・保険など)がバタバタと倒産すれば、一般企業も煽りを食って連鎖倒産します。現実に世界最大の自動車メーカーであるジェネラルモータース(GM)は破綻しました。そのまま放置すれば世界恐慌になる恐れがあったために、FRBは巨額のドルを発行し民間金融機関が持っている債券を買うことで「金融機関を潰さないという信用を与えた」のです。

しかしそれ以降、FRBのバランスシートは膨らみ続けました。負債側には発行したドルが、資産側にはそれを使って買った社債や国債が積み上がって行きました。20089月のリーマンショック直前に9400億ドル前後だったFRBの保有資産は、2014年末には4.5兆ドル超にまで拡大。1ドル110円で換算すれば100兆円から500兆円へと5倍に膨れ上がったのです。

図表 2 サブプライムショックによって急拡大した中央銀行のバランスシート
 













それでどうなったか?
FRB500兆円の資産から「通貨発行益」を得ることになりました。通貨発行益を計算する非常にラフな方法は、中央銀行の利益や政府への送付金額を見ることです。FRB2014年分から2016年分(直近データ)の3年間、米国財務省に対して毎年900億ドル(約10兆円!)の収入を送金しています。

米国の通貨発行益は
年間約10兆円!

ということです。
この金額は2004年には200億ドルを切っていましたし、サブプライムショックの2008年は300億ドルでした。そこから5 倍あるいは3倍になったということです。
10兆円というと大きすぎてピンと来ませんが、ポーランドや台湾の年間税収(税金による国家の収入)よりも大きな金額です。ポーランドや台湾の国民が必死に納めた税金よりも多い収入を、米国は通貨発行益だけで得ているのです。
しかし一方でアメリカという国は、その6倍の60兆円を年間の軍事費として使っています。これは日本国民が必死に働いて納めた年間税収とほぼ同じ。

米国は台湾やポーランドの税収以上の通貨発行益を得て、日本の税収とほぼ同じ軍事費を使っている

なんじゃそりゃあああ!!!!!
いやはや、あまりにもスケールが違いすぎて金銭感覚がおかしくなってきます。
誰ですかっ? こんな国と戦争しようなんて言い出した人は。

ちなみに日銀の平成28年度(2016年度)決算報告では、税引前当期剰余金が7,074億円。法人税・住民税及び事業税を差し引いた後の当期剰余金は5,066億円だったようです。ここからさらに法定準備金を積み立てて配当金を払った後の4,813億円を国庫に納付しています。
FRBの国庫納付金も日本と似たようなルールでともに通貨発行益に比例すると仮定すれば、米国の通貨発行益はざっと日本の20ということになります。
米国の名目GDPは米日本の4倍弱ですが、それと比較しても大きな差です。
さらに言えば日銀の総資産残高も、約500兆円でFRBとほぼ同じです。しかしそこから得られる収益では約20倍の差になっているのです。

もちろんそれぞれの国で事情は違いますから、単純な比較はできません。通貨発行益は金利水準によって変わりますし、取っている潜在的リスクも違うはずです。職員の給料や光熱費などのコストも異なります。そもそも通貨発行益は、多いほど良いとも限りません。というのも中央銀行が利益を上げるということは、民間銀行から利益を奪っているとも見ることができるからです。
しかしそれでも米国が凄まじい金額の通貨発行益を得ていることは事実です。やはりドルを基軸通貨として世界中に流通させていることは、大きな強みであり利権となっているのです。


ビットコインはなぜヤバい: まえがき 犯罪の温床となる「いわゆる仮想通貨」




モノに価格をつけて取引することには、何とも言えない楽しさがあります。
あらゆるものに値段がつけられ、価格が高ければ希少または不足であることがわかります。安ければありふれて過剰であることがわかります。このような価格シグナルによって生産や流通が調整され、経済がうまく運営されるのです。まさに「神の見えざる手」と呼ぶにふさわしいシステムです。
チューリップの球根に対して家一軒ほどもする高値をつける人たちや、火星の土地に価格を付けて勝手に売買する人たちもいます。それが自由主義経済の面白さであり、奥深さなのです。

しかしビットコインなどの「いわゆる仮想通貨」には、ゲーム内のアイテム程度の価値しかありません。それに対して日本円や米ドルと同等の信用を与え、取引しようとする動きはどうかと思います。誰も負債として認識していないものを「通貨」と呼んで、先進国の法定通貨と同格に扱おうとすること自体がすでにヤバいのです。
誰も価値を保証せず、強制通用力を持たず、一般受容性すら怪しく、ガバナンスの主体もなく、投資家保護の仕組みからも外れた電子データを「通貨」と呼んで良いものでしょうか。甘い言葉で資金を誘い出し、詐欺・脱税・不正送金・マネーロンダリング・テロ支援などの犯罪が渦巻く無法地帯に引きずり込もうとしているようにしか私には見えません。
これによって不利益を被る規制当局や政府などは、控えめに警鐘を鳴らしています。しかしその声が取り上げられることは稀です。詐欺商品は多くの場合、実際に被害が出てからでないと動けないのです。
それでも金融や詐欺のことを良く知るプロであれば、人々の財産がそのような世界へ吸い込まれてゆくことを座視できません。これは金融・投資業界の信用にも関わる大問題です。いわゆる仮想通貨の台頭は「通貨発行権や徴税権に対する攻撃」であると認識できない国はヤバいのです。

本書では、以下の3種類の通貨を比較します。
---------------------------------
1. 国が発行する「法定通貨」
2. 企業や地方自治体などが発行する「疑似通貨」
3. 発行体(発行元)を持たない、「いわゆる仮想通貨」
---------------------------------

このうち(3)いわゆる仮想通貨」については
---------------------------------
A)   その価値に何の裏付けもなく、
B)   投資家保護の制度外(=無法地帯)にある上に、
C)   政府の通貨発行権や徴税権を侵害しており、
D)   詐欺や犯罪の温床になりやすい
---------------------------------
ので避けてくださいという結論です。

なぜならその成り立ちや構造を見る限り、
「不正をするな」と求める方が無茶
だからです。

この構造的な欠陥は、20176月に「改正資金決済法」が施行された後でも変わりません。
この法律は登録された業者が、いわゆる仮想通貨を「ねずみ講的な投資商品」に使うことは防いでくれるでしょう。しかしその前の段階、たとえば「登録外業者の詐欺」や「発行発掘・取引認証・保管レベルでの不正」を防ぐにはほとんど無力です。
むしろこの法律は、日本政府が「(3)いわゆる仮想通貨」を貨幣として認めたかのような印象を与えてしまいます。良く読むとそんなことはないのですが、大手企業が取引所ビジネスに参入することで安心する人々も多いでしょう。それによって詐欺や犯罪の被害が大きく広がってしまうのではないかと懸念しています。

この本は、投資家が通貨について知っておくべきメカニズムをほぼ網羅しています。
なぜ「いわゆる仮想通貨」がヤバいのか?
改正資金決済法でも埋められない、構造的な欠陥とは何か?
金融や犯罪の専門家たちが警鐘を鳴らすのはなぜか?
次々に押し寄せる「フィンテック時代のデジタル投資詐欺」に引っかからないよう、じっくりと読んでみてください。